ロニテン

薄毛・AGAの治療薬は様々な種類のものがございます。その中でも「ロニテン」という薬をご存知でしょうか。ロニテンは、ミノキシジルを主成分とした内服薬です。ファイザー社から、ロニテン5mg・ロニテン10mgの2種類が発売されています。

 

ミノキシジルとは

ロニテンに含まれているミノキシジルは、1960年代にアップジョン社(現在のファイザー社)が創製した、高血圧の経口薬として用いられていました。その後に髪を育成して脱毛を回復させる効果が発見されました。1980年代にアップジョン社がハゲ・薄毛や脱毛症の治療用とし2%のミノキシジル外用溶液を「ロゲイン」として販売し始めました。頭部に塗布する液状の外用薬として先に販売されています。毛の成長については、毛乳頭細胞や毛母細胞の活性化と説明されています。

 

ロニテンは、ロゲインや国内製品のリアップのような塗布タイプのミノキシジル含有薬ではありません。ロニテンは、錠剤で服用するタイプ(飲むタイプ)のミノキシジル含有薬です。塗布タイプと違いとしては頭頂部だけでなく、M字部分や生え際といった前頭部にも発毛効果を発揮すると言われています。

 

AGAに何故なるのか

AGAに何故なってしまうのか、遺伝やストレス、飲酒、喫煙、運動不足、食生活の乱れ、髪のケア不足など多くの要因が挙げられます。その中でも男性ホルモンのDHT(ジヒドロテストステロン)が最大の要因と言われています。AGA・薄毛部位にはDHTが高濃度に存在することがわかっています。

 

DHTは活性型男性ホルモンとも呼ばれており、テストステロンが変化したものです。テストステロン自体は主に精巣で生成されているホルモンですが、毛根にある5-αリダクターゼ酵素と結びつくと、変化しDHTになります。更にDHTが頭皮の毛乳頭細胞内にある受容体と結びつくと、TGF-βというたんぱく質が生成されます。これは脱毛を司令する因子で成長状態の髪が退行状態になってしまい、成長しないうちに脱毛します。DHTの生成を阻害することがAGA治療では大切になります。

 

 

ヘアサイクル

AGAの要因についでヘアサイクルもお伝え致します。髪の成長期は一般的に2~6年ほどありますが、AGAの状態ですと3カ月~1年ほどに短縮されてしまいます。このヘアサイクルが短い状態では、しっかりとした長く太い毛には育ちません。この状態ですと短く細くなり栄養が行き届かず脱毛してしまいます。新しい毛が育ちにくい環境になってしまい、進行性して脱毛していくことで薄毛が目立つようになります。

 

ロニテンの効果

ロニテンの主成分であるミノキシジルは血管を拡張させることにより血流増加を促します。また、血中から栄養素を取り込んでいる毛乳頭を活性化させる効果があります。

 

毛乳頭が取り込んだ栄養素は毛母細胞に送られます。これにより活発化した細胞が分裂・増殖を繰り返すことで毛髪が生成されます。なので、血行促進は毛髪形成のために必要なプロセスとされており、ミノキシジルを育毛剤として使用されている理由となっています。髪に栄養を運ぶことで乱れたヘアサイクルの改善にも繋がります。

 

ミノキシジルを使用した育毛剤としては、外用薬タイプのロゲインやリアップなどのミノキシジル外用薬があります。ですが、ロニテンは直接経口して使用する内服薬の分、ミノキシジル外用薬より高い効果を得ることが期待できます。

 

 

注意事項

ロニテンは脱毛に対抗する薬なので、最も一般的な副作用としては頭皮の痒みです。この他では動悸、息切れ、手足のむくみ、吐き気、腹痛、血圧低下、めまいやふらつき、体毛の増加などが挙げられます。元々が高血圧症のための薬ですので血管拡張作用があり、血圧を下げる副作用があります。

 

正常な血圧の人が服用されりと低血圧になる可能性があります。 その他には、反射性頻脈や狭心症などを併発させる可能性もあるので、交感神経抑制剤も一緒に服用する場合があります。

 

併用すると危険なものとしては、血圧低下作用のある薬や成分全般、アルコールなどのが挙げられます。心筋梗塞の経験がある方は、心臓付近の血管が拡張して血圧が変化することで再発の恐れがあるので注意が必要になります。降圧剤を含めた他の医薬品を処方されている方も、服用に際しては医師に相談し指示に従いましょう。

 

他AGA治療薬と一緒に使用

フィナステリド系・デュタステリド系といった他AGA内服薬と一緒に飲めるのかという疑問が出てくるかもしれません。ミノキシジルの作用機序とフィナステリド系・デュタステリド系の作用機序が違うので併用することができます。

 

フィナステリド系(プロペシア・フィナステリドなど)・デュタステリド系(アボルブ・ザガーロなど)は5-αリダクターゼ酵素を阻害し抜け毛を防止する効果であります。ロニテンに含まれるミノキシジルの発毛効果と合わせることでより効果的な治療を行えます。

 

現在AGA治療薬はインターネット通販や個人輸入などでの購入もできますが、偽物も多く注意が必要です。頭皮の状態にあう薬を使うのがAGA治療において大切になります。薬を通販やネットで購入される前に、1度クリニックでご相談をされてみることをお勧め致します。

このページの先頭へ