ザガーロ?アボルブ?

「ザガーロ」は2015年の9月に日本国内で承認されたばかりで比較的新しいAGA治療薬です。2016年6月にGSK(グラクソ・スミスクライン)社から販売されました。商品名としては「ザガーロカプセル0.1mg、0.5mg」のデュタステリド製剤です。有効成分は「デュタステリド」でMSD社のプロペシアの有効成分「フィナステリド」と同様「5α還元酵素阻害薬」に分類されます。おでこの生え際やつむじ付近の頭頂部に対して効果を発揮し、プロペシアの効果と比較するとより強力です。   「アボルブ」はそもそも「ザガーロ」と研究開発経緯が同じで、製造会社も同じくGSK社になります。もともと前立腺肥大症の薬として開発され、2001年にアメリカで、2002年にヨーロッパで承認され、2009年に日本の厚生労働省で認可を得ています。現在では世界で290万人以上の患者に使用されている薬です。

「デュタステリド」

ザガーロ/アボルブの有効成分である「デュタステリド」は脱毛の原因である男性ホルモンの「テストステロン」と「5α還元酵素」の結合を阻害する薬です。結合するとDHT(ジヒドロテストステロン)に変換され、このDHTが脱毛や薄毛のAGAである原因になります。デュタステリドと同じ働きを持っているプロペシアの「フィナステリド」との違いとしては、フィナステリドがII型の5α還元酵素のみを阻害するのに対して、デュタステリドはI型とII型の両方阻害します。つまるところ、デュタステリドの方が広範囲にわたってAGAに対する効果を発揮できるということです。  

I型とII型の5α還元酵素とは

AGAにおいて薄毛の状態や発毛作用など、5α還元酵素のI型II型が治療のキーポイントになります。これは、それぞれで必要な治療薬や成分、栄養素などが変わってくるからです。   I型の場合、全身の「皮脂腺」に存在しており頭部だと側頭部と後頭部に確認されています。一般的に皮脂は脂肪を含んだ油分で肌の水分蒸発や乾燥を防ぐ役割をしています。I型の5α還元酵素が分泌されると肌が脂っぽくなり、脂性の人に多いタイプです。ただ、薄毛への影響はII型に比べると少なく、基本的にAGAは前頭部や頭頂部から進行するからです。   II型の場合は髪の毛を生成する「毛乳頭」にあります。頭部では前頭部や頭頂部、にあります。さらには、II型はDHTを多く作り出しており、II型の方が強固なDHTを作るとされています。   ※II型の5α還元酵素が身体全体のDHTを60~70%生成するのに対し、I型は残りの30~40%となっています。

デュタステリドの服用

デュタステリド製剤(有効成分にデュタステリドを含む薬剤)は1日1回1カプセルを水かぬるま湯で服用し、食事による影響を受けないのでタイミングを決めて服用してください。服用前後での飲酒は避け、飲酒習慣がある方はデュタステリドの服用タイミングを朝にすることをお勧めします。デュタステリドの効果が出始めるのが最短で3か月、実感できるまでに早くて約6か月~1年の継続が必要です。基本的にいつ服用しても大丈夫ですが、毎日同じ時間に服用することが重要です。デュタステリドの血中濃度を一定に保ち、飲み忘れを防止するためです。   デュタステリドの服用で5α還元酵素を抑制しDHTに生成を抑制するためヘアサイクル(毛周期)の改善が始まります。ヘアサイクルとは、髪の生え変わりの周期のことです。また、AGAの症状はヘアサイクルが短くなっている状態で成長期が短く、十分に髪の毛が育たず薄く細い髪の毛が生えては抜けるを繰り返すことが特徴です。髪の状態を維持するには早くから取り組み、服用継続の必要があります。   上記の通り効果発現まで最短で6ヶ月以上継続が必要です。もし、それより早い段階で服用を中止した場合、症状は元に戻ります。  

効果の高い治療法

デュタステリドの他にAGA治療に対する有効成分は存在し「ミノキシジル」がそれにあたります。また、デュタステリドの効果とミノキシジルの効果を併用することでAGA治療に対して、より高い効果が期待できます。理由として、ミノキシジルは血管を拡張して髪の元となる「毛母細胞」を活性化し発毛・育毛してくれるからです。デュタステリドで脱毛を抑制しヘアサイクルを整え、ミノキシジルで発毛・育毛を促すという形がAGA治療の理想となります。  

デュタステリドの副作用と注意

デュタステリドの副作用発現確率は10%以下と、統計的に見て非常に少ない部類の発症率となりますが、目立って現れたものの中では乳房障害、勃起不全、精神障害、性欲減退、鼻咽頭炎です。   次に服用できない方ですが、小児、妊娠中や妊娠の可能性がある女性、授乳中の女性、肝機能障害のある方です。小兄に関しては身体や心の発達に影響があるため薬剤に触れることも危険です。女性も適応がなく乳房障害が出るので同じく薬剤に触れないことです。また、デュタステリドを服用した方は服用停止から6ヶ月間献血できません。基本的に薬は肝臓が代謝しますので重度の肝機能障害の方は負担がかかるため注意が必要です。 この他、不安な方は医師に相談することをお勧めします。   ※副作用とは違いますが、治療薬を服用すると「初期脱毛」という症状が発症する可能性があります。すべての人に現れるわけではないのですが、一時的にヘアサイクルが改善されるとともに、弱っている髪の毛が新たにしっかりとした髪の毛と生え変わるために起こる症状です。  

最後に

こちらのサイトでも紹介しているAGA専門のクリニックや医療機関では専門知識を持った医師の診察を受けることができます。AGAは早い行動が大事ですので「最近薄くなってきたな」「抜け毛が多いな」と感じたら受診することをお勧めします。  

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