AGAとハゲの原因

心無い言葉かもしれませんが、「ハゲ」という言葉はまだよく使われています。一般的には「髪の毛がない状態」をなんでもハゲと呼んでいますが、毛のない状態にもいろいろな種類があります。また、「AGAとハゲの違いは?」と疑問に思う方もいるかもしれません。

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いろいろなハゲ

ハゲは髪の毛がない状態の総称です。ハゲという大きなくくりの中にAGAなどがあるので、AGAはハゲの一種と言えますし、AGA以外のハゲもあります。医学的には脱毛症と呼びますが、脱毛症にはどのような種類があるのかを見ていきましょう。

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■老人性脱毛症

老人性脱毛症は、年齢を重ねることによって体の細胞の働きが低下することで起こります。発毛に関係する部位は毛乳頭や毛母細胞ですが、若いころはこれらが活発に活動し、髪はすくすく育っていきますが、加齢とともに細胞の活動が低下し、発毛より脱毛が目立ってきます。老人性脱毛症は原因が加齢なので男女関係なく発症しますし、抜け毛の場所も全体的に抜けていくという特徴があります。

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簡単に言うと老化現象なので劇的な治療はないのですが、『プロペシア』などのフィナステリド製剤や『ザガーロ』などのデュタステリド製剤・『ミノキシジルタブレット』などを試してみるのも一つの策です。

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■円形脱毛症

「10円ハゲ」と言われることもある円形脱毛症は、年齢・男女関係なく発症します。ストレスが原因ではないかと思われてきましたが、最近は「自己免疫機能の異常」が原因と考えられています。突然円形に抜けている状態に気付くことが多いので、驚かれる方も多いです。

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治療にはいろいろな方法がありますが、まずは『フロジン外用液』『アロビックス外用液』(塩化カルプロニウム)を使って治療することが多いです。軽度の場合は、そのまま放っておくと治ることもあります。

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■脂漏性脱毛症

頭皮の皮脂の分泌が盛んな場合に起こるハゲです。頭が脂っこい方は気を付ける必要があります。皮膚にはマラセチア菌という真菌が存在します。マラセチア菌は普段は悪さをしませんが、過剰に分泌された皮脂を栄養源として異常繁殖することがあります。その結果、頭皮は炎症を起こし、脱毛症状が起こります。

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治療は炎症を抑える抗炎症剤や真菌に効く抗真菌剤を使います。頭髪の場合には真菌に効く『ケトコナゾールシャンプー』が効果的です。

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■副作用による脱毛症

有名なのは抗がん剤治療の副作用による脱毛です。頭髪は薬などの影響を受けやすいので、脱毛が起こる場合があります。しかしながら、薬や治療行為が終わるとともに改善することが多い脱毛症です。

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他にも、妊娠や出産に伴うホルモンバランスの変化による脱毛症や、頭皮のケガ、自分で髪を抜いてしまう抜毛症など、「髪の毛がない」状態のハゲにもいろいろなものがあります。

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AGAとハゲ

男性型脱毛症であるAGAは、「前頭部のM字部分」や「頭頂部のつむじ」から進行していくことが多いのが特徴です。発症の年齢も思春期以降~中高年までと幅広く、また進行性であるため早めの治療が肝心です。

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原因は、男性ホルモンによる影響や血行不良が原因です。治療に当たっては、
  • ・AGAを発症させる男性ホルモンDHT(ジヒドロテストステロン)を抑える薬(フィナステリド・デュタステリド)
  • ・頭皮の血行を改善し、発毛を活発にする薬(ミノキシジル)

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が使用されます。AGAの原因が分かり治療法が確立されたので、今ではAGAのハゲは高い確率で改善効果が見られます。

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治療法が大事

以上のようにハゲは総称であり、それぞれ脱毛症により特徴や原因が異なります。治療に当たっては、今のハゲの状態が何が原因で起こっているのかをしっかり見極め、それに対する治療を行うことが必要です。

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この見極めをするためには、やはり専門知識を持ったクリニックでの診察が一番です。自己判断で治療を始めた結果、一向に良くならないばかりか、場合によってはさらに悪化することもあります。

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■実際の例

例えば男性型脱毛症AGAと脂漏性脱毛症の判断です。ユナイテッドクリニックさんへの取材によると、自分ひとりでインターネット通販や個人輸入で薬を手に入れたが、なかなか改善しないという場合があったそうです。その結果、ユナイテッドクリニックさんに相談し、医師がよく診察してみると頭皮が脂漏性の皮膚炎になっていて、その結果脱毛が起こっていたことが分かりました。この方の場合はAGAも進行があったため、AGAの薬もより状態に合う薬に変更し、合わせて抗真菌作用があるケトコナゾールシャンプーを使い始め、その後改善効果が現れたようです。

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また、自分では円形脱毛症かなと思っていて、そのうち治るだろうと放置していた方が、どんどん頭頂部が目立ってきたためにユナイテッドクリニックさんに相談すると、AGAだったという場合もあるそうです。AGAは進行性のため、早く治療を始めると進行を食い止めることができます。

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今回お伝えしたようにハゲはいろいろな場合があるので、自己判断はせず、まずは専門知識を持ったクリニックで診察をしましょう。間違った治療法は、改善への回り道になってしまうことがあります。薄毛やAGAなどのハゲの治療は日に日に進んでいるので、まずはご相談してみてはいかがでしょうか。

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