ミノキシジルを使うとかゆくなる? 

成人特有の悩みとして挙げられるものが薄毛や脱毛の悩みです。脱毛症にはさまざまな種類がありますが、成人男性によく見られる脱毛症はほとんどAGAです。その中でも血行不良の影響でのAGA治療薬として広く知られているのがミノキシジルです。ミノキシジルを有効成分にした薬剤は飲み薬である内服薬と外から塗布する外用薬があります。外用薬として有名なものが大正製薬より製造販売されている「リアップx5」ですが、外用薬ではミノキシジルの吸収率は下がることから内服薬のミノキシジルタブレット(ミノタブ)の方がAGA治療効果は高いです。

AGAとは

AGAは「Androgenetic Alopecia」の略で、日本語では「男性型脱毛症」と呼ばれています。AGAの特徴として額の毛髪の生え際が後退したり、頭頂部が薄くなってきた、または両方同時進行してきた場合が該当します。発症する年齢は個人差がありますが、思春期を過ぎた男性ならば誰でも発症する可能性があり早ければ20代前半から症状が表れる方もいます。AGAは進行性の脱毛症です。何もせず放置するとどんどん薄毛の範囲は広がり、治療期間が遅れると治療期間も長くなるので早め早めの治療やケアが必要です。

ミノキシジルとは

ミノキシジルはアメリカのアップジョン社により開発され、当初は高血圧の治療薬として用いられていましたが、のちに脱毛症に対する適応が認められ、1980年代に同社から脱毛症の治療薬「ロゲイン」の販売が開始されました。日本では1999年に大正製薬からミノキシジル1%配合の「リアップ」として販売が開始され、2009年にはミノキシジルが5%が配合された「リアップx5」が発売されています。ミノキシジルは毛の根っこにある毛包に直接作用し、乱れてしまったヘアサイクルを正常に戻す作用、タンパク質の合成、細胞の増殖を促すことによる発毛作用を持つことが知られています。

ミノキシジルと初期脱毛

AGA治療の初期の段階で古くなった髪の毛が抜け落ちる現象を初期脱毛と呼びます。初期脱毛には個人差があり、全ての方に症状がでるものではありません。また、初期脱毛は健康な髪の毛に生え変わる準備段階であり、AGA治療薬の効果が出始めた証拠とも言えますので、初期脱毛が起こったとしても古い毛が抜け、新しい毛が発毛してきたサインと思って安心してください。AGAを発症し、薄毛になっている箇所はヘアサイクルが乱れている状態と言えます。ヘアサイクルは成長期、退行期、休止期の3つのサイクルで循環しており、成長期は新しい髪の毛が成長している期間、退行期は髪の毛の成長が滞っている期間、休止期は髪の成長が止まっている状態を表します。AGAではこのうち成長期が本来の2~6年であるものが3か月から1年に短縮してしまっています。 ミノキシジルには血行促進作用がありこの作用によって毛母細胞が活性化され、ヘアサイクルの乱れが正常な状態へと近づきます。ミノキシジルの服用を開始した時点で生えていた、細く弱った髪の毛は初期脱毛によって抜け落ちますが、ミノキシジルの血行促進作用により毛穴が本来の力を取り戻すことで新しい髪の毛が生えてきます。

頭皮のかゆみの原因

発毛・育毛に効果のあるミノキシジルですが医薬品のため副作用もあります。その副作用の1つが頭皮のかゆみです。ミノキシジルによってかゆみが出る原因は大きく3つに分けられています。

血管拡張作用によるかゆみ

ミノキシジルには血管を拡張する作用があります。この作用によって血液の流れが良くなり、かゆみが出る場合があります。たとえば入浴時に湯船に浸ったことで皮膚にかゆみが出たことがあると経験したことがあると思います。これは身体が温まったことで血行が促進され、血流量が増えたためかゆみを感じているのです。特に抜け毛が気になっている頭皮は血流が悪くなっています。その頭皮にミノキシジルが作用すると、血行が促進されるのでかゆみが起きるのです。

外用薬(溶剤)へのアレルギー反応によるかゆみ

外用薬として使われているのはアルコールやプロピレングリコールなどの成分です。しかしこれらの成分にアレルギーを持っている方には、かゆみが出てしまうこともあります。また今まで問題がなかったとしても、アレルギーは突発的に発症することもありますのでミノキシジル自体ではなく、外用薬の含有成分に対するアレルギーの可能性もあることを覚えておきましょう。

ミノキシジルが肌に合わないことによるかゆみ

ミノキシジルのかゆみの原因は血行促進作用や外用薬へのアレルギー反応があるとお話ししました。しかし上記以外の原因として、そもそもミノキシジルが肌に合わずかゆみが起こることもあります。ミノキシジルはかゆみやアレルギーを誘発させる成分ではないと言われていますが、人によって体質は異なります。例えば、同じ化粧水をつけていても肌が改善される方、かゆみや赤みを発症する方もいます。同じように発毛剤も皮膚に直接つけるものですので、肌に合わずかゆみが出る場合があるのです。

1人で悩まずに専門の医療機関へ

ミノキシジルの外用薬は頭皮に直接塗布する物なので、頭皮のかゆみ・湿疹・発赤・かぶれ・ふけ・使用部位の熱感などになりますが、ミノキシジルの内服薬は若干異なります。内服薬の主な副作用として血圧の低下・動悸・不整脈・全身の発毛(多毛症)・むくみなどの確認がされています。AGA治療でミノキシジルの内服薬を使用する場合は大きな効果と共に副作用も考慮したほうがいいでしょう。特に加齢により大半の方が抱える高血圧や低血圧などの血液に関わる疾患をお持ちの方は自己判断せずに必ず専門の医療機関で診察を受けましょう。

 

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