アボダート

アボダートとは

アボダートとはイギリスにある大手製薬メーカーであるグラクソ・スミスクライン社が製造、販売している製品です。このアボダートの有効成分であるデュタステリドはもともと前立腺肥大症の治療薬として開発された成分で、アメリカ食料医薬品局(FDA)に承認されている成分です。 現在、AGAの治療薬として広く認知されているプロペシア(成分はフィナステリド)等より高い効果があるとされています。
 
 

グラクソ・スミスクライン社って?

冒頭で出てきた大手製薬メーカーのグラクソ・スミスクライン社について説明をします。グラクソ・スミスクライン社(GlaxoSmithKline plc 略称はGSK)はイギリスのロンドンに本社がある世界有数のグローバル製薬企業として有名です。設立は約60年前の1953と長い歴史のある製薬メーカーで代表的な薬剤ではAGA治療薬をはじめ気管支炎喘息の薬やリレンザなどの抗インフルエンザウイルス薬などがあります。なんとグラクソ・スミスクライン社は2016年の世界製薬会社売上高ランキングにて5位という大手製薬メーカーに入ります。GSKは日本法人を置いており、グラクソ・スミスクライン株式会社といいます。このグラクソ・スミスクライン株式会社はAGA治療薬で有名なザガーロの製造元です。
 

アボダートとザガーロ

グラクソ・スミスクライン社の販売する「アボダート」、グラクソ・スミスクライン株式会社の販売する「ザガーロ」のどちらも主成分は「デュタステリド」であり、このデュタステリドを有効成分とした錠剤となっています。実はこのアボダートとザガーロは効果も副作用もほとんど同じで、製剤する際の添加物(乳化剤や安定剤)に少し違いがあるだけですので、名前が違うだけで同じ薬剤とお考えいただいていいかと思います。
 
両薬剤の主成分であるデュタステリドはもともと前立腺肥大症の治療薬として開発された成分です。前立腺肥大とは、男性特有の症状で膀胱の近くにある前立腺が年齢などによって肥大し排尿障害などを引き起こします。アボダートはその治療薬として販売が開始されました。アボダートは同時に薄毛にも効果があることから適応外で処方されていました。つまりデュタステリドという有効成分は前立腺肥大にもAGAにも適応がある薬剤です。 販売する国によって名称などが変わることはよくあることで、最初は英国のGSKが「アボダート」という名称で発売をしました。日本のGSKでは、アボダートと同じものを「アボルブ」という名称で販売しています。アボダートの主成分デュタステリドはAGA治療に効果があることから、日本のGSKでは2015年にAGA治療薬として厚労省の承認を取得し「ザガーロ」という名称で発売しました。
 

デュタステリドの効果

ザガーロ、アボダートの主成分である「デュタステリド」の効果について説明します。AGAの最大の原因は男性ホルモンのテストステロンと「5αリダクターゼ」が結びつきDHT(ジヒドロテストステロン)に変換されることで毛髪の発生や育成を司る部分を委縮させ正常なヘアサイクルの期間を大幅に短縮させることにあります。デュタステリドはこの「5αリダクターゼ」を抑える働きがあり、結果としてDHTの生成を阻害することでヘアサイクルを整え抜け毛をを防ぎます。また、「5αリダクターゼ」にはⅠ型とⅡ型が存在しデュタステリドはこのⅠ型Ⅱ型の両方を抑えることができるためプロペシアなどのフィナステリドを主成分とするAGA治療薬よりも強力であるとされています。デュタステリドもフィナステリドもヘアサイクルを改善して抜け毛を抑える薬剤で発毛効果はあまり期待できません。発毛効果を期待する場合はミノキシジルの併用が効果的でミノキシジル、デュタステリド、フィナステリドは日本皮膚科学会の男性型脱毛症診察ガイドラインにおいて「行うよう強く勧められる」のAランクに指定されています。
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デュタステリドの副作用

アボダート(デュタステリド)の副作用について説明します。デュタステリドは基本は内服薬で全身に作用するので副作用が起こることがあります。 主な副作用としてはプロペシアなどの主成分フィナステリドと同じような副作用で勃起不全や性欲減退などがありますが、臨床試験で偽薬を服用した群でも同じような副作用がみられるためEDとの相関関係はないと考えられます。他には全身の倦怠感や食欲不振もありますが慣れると改善されるので過度な心配はございません。副作用が続くようであれば一旦中止し、かかりつけの医師にご相談ください。
 

アボダートと初期脱毛

アボダートを服用すると初期脱毛という脱毛が起こることがあります。この初期脱毛はデュタステリドを服用することでヘアサイクルが正常に戻ることで、古くなった毛髪を新しく生えてきた毛髪に押し出させることで起こる脱毛です。また、全ての人に初期脱毛がおこるわけではありませんが、初期脱毛がある場合は薬剤がよく効いている証拠でもあるので過度な心配は必要ありません。むしろ、臨床試験では初期脱毛があった方のほうが効果が高いというデータがあります。
 

海外産のデュタステリドの入手方法

冒頭でザガーロとアボダートはほとんど同じと説明しました。日本では入手方法に大きな違いがあります。これは日本ではアボダートは認可されていないため個人輸入や個人輸入代行サービス、インターネット通販からしか入手方法がないためです。個人輸入や代行サービス、インターネット通販で入手した場合は成分検査が行われていなかったり、偽物であることがあります。2chや口コミなどで「アボダート 効かない」などはデュタステリドが含有されていなかったり偽物を服用していることがあるためです。日本では厚生労働省からも個人輸入はしないようにと注意喚起がされているので必ず信頼のできる病院やクリニックで安全な薬剤をご使用ください。          

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